2013年5月18日土曜日

真実の『桃太郎伝説』とは!? 完結編

桃太郎伝説 取材 003 では、本家と信じ続けてきた岡山ではどうでしょうか?・・・と訪ねたのは「吉備津神社」です。

岡山市にある大吉備津彦大神を主祭神とする山陽道屈指の大社です。こちらが“桃太郎伝説”のモデルなどで知らている神社です。

 桃太郎伝説 取材 002


おみくじ売り場はカラフルな桃太郎絵巻が内側からのライトでキラキラと光を放っています。
(桃太郎誕生から鬼征伐までが描かれています)

 

桃太郎伝説 取材 008
桃太郎ゆかりのものを探し、発見できたのがこちらです。
(右の写真→)

吉備津彦命(桃太郎のことなのです)が、百済の王子温羅(うら)(すなわちこちらが鬼です)を退治したときに、射った矢を置いたという“矢置石”です。

 鬼の販売員

こちらはみやげ物屋で働く鬼さん。お店のおばちゃん曰く、「鬼がうりゃあ、なんでもよう売れるんよ(笑)」とのこと。

確かに愛嬌があって思わず手にとってしまうかも!?





桃太郎伝説 取材 011お店のおばちゃんへのリサーチで、すぐ近くにある“吉備津彦神社”へ足を伸ばします。

こちらの神社は古代より背後の吉備の中山に巨大な天津磐座(神を祭る石)磐境(神域を示す列石)を有し、山全体が神の山として崇敬されてきたとのことです。
もちろん桃太郎伝説のその人と言われる“大吉備津彦命”を御祭神とする神社なのですが、桃太郎御一行は駐車場の奥にひっそりと立つのみでした。

これでもか!?と“桃太郎伝説のルーツ”を訴えかけてくる犬山に対して、岡山では歴史の中にしっかりと刻まれている様子が伺え、境内を歩きながら何だか自分なりにしっくりとくるように感じました。

桃太郎伝説 取材 014今回の取材中に見つけた本【桃太郎話:みんな違って面白い/立石憲利著】を読んでみるとよく分かったのですが、“桃太郎伝説”は北海道、大阪、和歌山、熊本、宮崎、沖縄の六道府県を除く全ての都府県にあるのだそうで、その総数は約680話にものぼるそうです。

紹介されている各地のお話を何話か読んでみましたが、例えば桃太郎の生まれ方でも①大きな大きな男の子・・・だったり、②桃の種の中へとってもとっても小さい指の頭ぐらいな男の子・・・などと紹介されていたりするのです。



育ち方もすくすくと良い子で育ったかと思えば、おじいさんおばあさんに甘やかされて近所の子たちをいじめるような悪ガキだったり、いつも寝ているような寝太郎風だったりと様々です。

お供についてはイヌ、サル、キジというパターン以外にも“つき臼”・“栗”・“カニ”・“牛糞”など猿蟹合戦風のものとなっていたりしていて、まさにそれぞれに違った“桃太郎伝説”が存在するのです。

ももたろう絵本 こうしてみると、みんなそれぞれに聞かされてきた話があって、それがその人にとっての“真実の桃太郎伝説”なのだろうな・・・と妙に納得してしまいました。

金子みすずの詩のように、「みんなちがって、みんないい」とあるように、まさにその通りなのだと思いました。

『桃太郎』とはどこの地の、どなたにとっても“悪い鬼を退治する永遠のヒーロー”なのでしょう。今回改めて調べる機会が出来て良かったです。

さて、真実の『桃太郎伝説』シリーズも本編はこれにて終了です。
(また番外編があったりするかもしれないので、また見てやって下さい)

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