グローバル調達という視点から、今回の韓国・台湾の海外視察においては非常に学ばせて頂くことが多く、正直意外なまでに驚かされることの連続でした。
当社は中国に進出して25年がたち、中国国内のローカル勝ち組企業との連携を図りつつ、世界で戦って勝つためにはどうするべきか?と自問自答しながらやって参りました。
私個人としましては「ものづくりの主戦場は中国だ!」とばかり意識がいっていましたが、当然ながらアジア諸国のどちらの国々もそれぞれに技術力を磨き、製造する上での絶え間ない努力を繰り返し、世界で戦う一流企業を目指して社業に励んでおられるのだと実感致しました。
これは当たり前の様で実際に現地に入り、自分の目で見て耳で聞いて肌で感じることで脅威を受けることになりました。
日本で製造を続けることの強みがあるのだろうか?と改めて考えさせられる良い機会となりました。
相当に恐ろしいことだという危機感を高めつつ、日本に帰ってまた中国工場との連携をより強固なものとするなど自社の強みをスピードを上げて取り組んでいかねばと思った次第です。
今回大変貴重な体験をさせて頂いたことに感謝しつつまた韓国(仁川空港)を経由して帰路へと着きました。
長らくお付き合い頂きありがとうございました。
2014年2月21日金曜日
韓国・台湾海外レポートのまとめ
2014年2月20日木曜日
韓国・台湾海外レポート④
ソウルから台北に移動です。台湾も韓国と同しく初めての入国です。
視察5社目は1973年設立のワイヤーハーネスのメーカーです。
自動車やオートバイメーカーのパートナー企業として41年にもわたって発展されており、共同開発設計、3D設計など電子システムなどの革新的な取り組みを続けられています。
2,000名からおられる社員数のうち、約200名の方が開発・設計に従事されるなど研究開発における意識の高さが伺えました。
また生産の面では中国福建省で約95%を生産されており、台湾(本社)の位置づけは売上げの60%を占めるという台湾国内向けの生産や、全体的なバックアップ機能として捉えており研究開発拠点とのことでした。
また電動車イスなど医療向けのバッテリーについては世界シェアの70%というから驚きます。
主にアメリカや欧州向けの輸出だそうですが、卓越された技術力のもとにこういった結果がついてくるのだとあらためて感心させられました。
6社目、7社目には台湾を本拠地にされていて中国にも生産工場を多く持たれている巨大グループを視察させてもらいました。
まずはバイクや農業機械向けエンジン・オイルポンプの生産をされている工場を視察です。縦型・横型のマシニングなどが100台から並び、専用治具の設計から全てを社内で段取りされるなどレベルの高いものづくりをされていました。
測定器具については日本製やドイツ製とのことでしたが、マシニングなどの加工機については台湾製の現地調達で十分間に合うそうで、金額的にも日本の工作機械の約半分で購入できるとのことで、ここでも競争力の差が出るのだと感じました。
1972年に公司設立され、40年かけて月間30,000tもの生産量をこなされる一大グループを構築され、大中華圏内では最大級の鋳造会社となられたそうです。(グループ企業2社は上場されているそうです)
本社工場は人材育成がメインで、こちらから中国の工場などへ優秀な人材を派遣されるというお考えも伺いました。
今後の中期・長期の展望については、規模の拡大よりもこれからは社内に重点を移し、お客様の満足度・社員の満足度のために投資をしていきたいというお言葉からもこちらの会社が強い訳を感じ取れた気がしました。
2014年2月19日水曜日
韓国・台湾海外レポート③
4社目は広島県に本社を持たれるリングギアメーカーです。
1986年と早くから韓国に進出されており実質的にはメインの生産工場とまでなっているとのことでした。
大量生産の中でいかにコストダウンできるか具体的な目標(コストダウン30%・歩留まり率の改善30%など)に向けて加工工程の改善や自ら専用機の設計から行うことで大幅なコストダウンを図るなど非常に工夫されていました。
合理化できることは徹底的にやろうという日本流のものづくり力をここ韓国でも長年積み上げて来られたのだなと大変勉強になりました。
日本にはないものとして“徴兵制度”がありますが、これらが与える影響についても質問させて頂きました。
基本的には20歳から35歳までに20か月の軍隊入隊が義務付けられているため採用する際には、すでに除隊された方を優先的に採用されるとのことでした。
(やはり軍隊で鍛えられているという認識もあるそうです)
こちらでは雇用上の問題なども含めて勉強させて頂きました。
ここ韓国では初日の釜山からソウルへと移動して、二つの街でレベルの高い仕事をされている企業を視察させて頂きました。
明日からは台湾編へ突入します!
◇番外編
釜山やソウルで頂いた韓国料理などです。
左上のトッポギから韓国風おでん(写真右上)
↑石焼きビビンバ(左側)にご存知韓国風焼き肉のカルビです!)
韓国の食文化にも触れさせて頂き、ありがたく感謝しつつ台湾へ移動です。
2014年2月18日火曜日
韓国・台湾海外レポート②
2工場目はアルミグラビティ製造の現場を中心に工場見学させて頂きました。
現在の生産トン数は300t~350t/月とのことで電気炉800kg/炉を3機にて回転させて効率よく溶解されるなど工夫されていました。
また鋳込み後の製品の取り出し、搬送などが自動化されるなど驚くほど効率化されていて驚かされました。
各種測定機器も日本でも見られないほど充実していました。
工場内をご案内頂きながら、「日本の鋳造業は昔は韓国よりもレベルが上だったが、今は韓国の方がはるかに上だ!」と力強く言われるところからも、相当な自信とプライドの高さが伺えました。
グラビティマシン本体の金額や金型費用についても特に日本国内のものと比較しても基本的に変わらないという印象でしたし、アルミ地金についても大差はないのですが、電気代が日本の約3分の1であることや生産性向上のために自動化するなどの工夫をして合理化された生産ラインと、徹底した品質管理をした上での不良改善により、コスト競争力を高められているのだとよく分かりました。
続いて3社目はクラッチ、ブレーキプレート、ディスクの生産をされており、動力伝達と制御関連部品をアッシまで全てを行える韓国で唯一のメーカーとのこと。
(世界で唯一ともおっしゃられるほど自信も持たれていました)
3次元測定器はもちろん、超音波検査・摩耗チェック、トルク、高温高圧、疲労耐久検査などなど各種測定器具が相当充実していることにも驚きました。
日本のメーカー様とも共同開発されるのもうなずけましたが、特に驚いたのは冷間圧造というのでしょうか、丸材(S20C)から約3分で金型による圧造成形・スプライン加工までを完成させてしまう技術です。
本来なら鍛造して機械加工工程を重ねて完成するものを一発で(しかも3分弱で)完成させてしまうのです。加工レスなので当然バリもありません。
(画像をお見せできないのは残念ですが、すごい技術力です)
こういった技術力の高さにはただただ驚かされるばかりでした。
2014年2月17日月曜日
韓国・台湾海外レポート①
お客様の協力会のメンバーで韓国と台湾においてレベルの高い製造工場を視察させて頂くこととなり、初日の今日は関西空港から釜山へと飛びました。
政治的な問題はあれど、お隣の国という一番身近な外国でもありグローバル調達における競合先としても非常に強力なライバル関係にある韓国訪問を非常に楽しみにして現地入りしました。
(写真は釜山市内)
まず1社目は釜山近郊にある建設用・車両用タイヤのメーカーで、数多くの農機具メーカー向けの生産をされており韓国における農業車両向け100%シェアを誇るという有力企業でした。1991年にはインドネシア工場設立、欧州メーカーへの輸出などグローバル展開もされています。
F-MARK,QS9000,ISO14000など各規格も取得され、『TIRON』という自社ブランド名は「tire」と「iron」の造語であり、“鉄のように強いタイヤ”という意味を込められているそうで、製品に対する自信とこだわりが感じられました。
韓国では当然ナフサなどの原材料は東南アジア諸国からの輸入に頼らざるをえません。為替による差損も生じるので価格転換を含めて難しいところもあるようです。
また電力事情については東日本大震災以降韓国国内においても原子力発電について非常にシビアになってきており、何か少しでも問題があれば止まるので難しいのだそうです。
現状では火力発電が一番多く、原発が2番目ということで電力量にも限りがあるため午前と午後に各々1時間程度の規制がかかるそうです。当然ながらタイヤの成型中に止められないため、通常より高い電力費用を支払うなどの苦労も伴うそうです。
しかしながら現場内を見学させて頂くと、60年以上にわたる絶え間ない企業努力による技術力の高さが見て取れ、結果それがこのように韓国国内シェア100%という実績をもたらせるのだとよく分かりました。
企業視察レポートを続けます。
2014年2月2日日曜日
香川丸亀国際ハーフマラソンに出走!
第68回という歴史ある『香川丸亀国際ハーフマラソン大会』に出場して来ました!
全国各地はもちろん海外からも大勢のランナーが参加される大会で、国際陸上競技連盟(IAAF)からもハーフマラソン部門における日本で唯一のシルバーラベル(格付けがあるそうです)の認定を受けるほどの立派な大会です。
今大会はコペンハーゲンで行われる世界ハーフマラソン大会の選考レースにもなるそうで、国内外のトップ選手達が競い合う本気の戦いを肌で感じられるという貴重な大会でもありました。
共に参加する仲間たちと倉敷駅で合流して、一路香川県丸亀市を目指します。
前日までの天気予報は雨の予報でしたが、大会が始まるころには快晴となりマラソンにはもってこいの環境になりました!
トップアスリートたちのスタートから遅れること15分で10,000人の一般ランナーの方々とスタートです。
世界新記録も飛び出した「超高速コース」とのことで、完全交通規制と正確な距離表示に、ペースランナーも時間ごとに走ってくれるなど初心者にも非常に分かりやすく走りやすいコースでした。
噂には聞いていましたが、沿道の方々の声援も多く気持ちよく走らせて貰いました。
テレビで見るような雰囲気を体感しつつ感動のゴール。
走られた方々がまた来年も走りたいと言われる気持ちが良く分かりました。
記録も1時間48分48秒とわずかながらにも自己ベストを更新できて、大満足の一日でした。